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『ラ・ラ・ランド』公開記念!!独断と偏見で決めたミュージカル映画ベスト50

皆さんお久しぶりです。相変わらずブログの更新が超不定期ですみません笑。

今回は『ラ・ラ・ランド』公開記念!!独断と偏見で決めたミュージカル映画ベスト50と題しましてやっていこうと思います。少し前、米映画サイトThe Playlistが「ミュージカル映画トップ50」というものを発表しました。→The 50 Best Movie Musicals Of All Time
※こちらで日本語のランキングは見れます→米映画サイト選出「史上最高のミュージカル映画ベスト50」 (映画.com) - LINEアカウントメディア
このランキングを見て「俺の好きな作品もミュージカル黄金時代の作品もが全然入ってない!!!!」とまず最初に感じました。ミュージカル黄金時代とはミュージカル映画が盛んに製作されていた30年代〜50年代を指します。30年代〜50年代の隠れた傑作ミュージカル映画を1人でも多くの人に伝えたいという願望とThe Playlistへの対抗心から、このようなランキングを作成しようと思いました。中には珍作も紛れていますが、かなり厳選して選んだので実際に観て頂いて楽しめるものが多いと思います。なお、今回は日本のミュージカル映画は外させていただきました。

50位『若草の頃』(1944)/ヴィンセント・ミネリ


【コメント】
戦争中にこんなに煌びやかな映画が製作されているアメリカとはどんな国なんだと思った作品。テクニカラーで彩られた衣装とセットがとにかく美しくて眼福。“The Trolley Song”や“Have Yourself A Merry Little Christmas”など沢山の名曲が使用されている。ちなみにイギリスのバンド、イット・バイツがこの映画の原題を捩った“Eat Me In St. Louis”というアルバムを出している。
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49位『踊る大紐育』(1949)/スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー

【コメント】
最初観たときは「つまんなくね?」と感じ、2回目観たときも「やっぱつまんなくね??」と感じた作品だけれど、好きなところも沢山ある作品。冒頭のニューヨークロケは勿論、タップダンサーのアン・ミラーの超絶横移動タップシーンだったり、オールスターが揃って屋上で歌うシーンはとっても楽しい。「ミス地下鉄」を誇大解釈しちゃうジーン・ケリーも可愛い。フランク・シナトラも出演。
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48位『ピンナップ・ガール』(1944)/H・ブルース・ハンバーストン


【コメント】
20世紀フォックスが製作したミュージカル映画の中でも隠れた傑作。本編で2回登場するコンドス・ブラザーズのタップシーンもたっぷり楽しめるし、最後の軍隊の行進は迫力いっぱい。ミュージカル映画は長尺のものが多いがこれはそんなことないので気軽に観れる。
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47位『会議は踊る』(1931)/エリック・シャレル


【コメント】
ヒロインが人々に祝福されながら街中を馬車に乗りながら歌う場面を初めて観たときに、ミュージカル映画(オペレッタ映画)は既にこの時点で完成されていたのではないかと思った。酒場のシーン(酒場の歌の相性の良さは半端じゃない)といい、映画全体を通じて歌う喜びをこれほど強く感じさせてくれる映画は数少ないはず。
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46位『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1973)/ノーマン・ジェイソン


【コメント】
ユダ役を演じたカール・アンダーソンの歌声だけでもうこの映画が大好きになる。アンドリュー・ロイド・ウェーバーが作曲したロックオペラをベースにしているのもあってか、思わず歌いたくなるような名曲が多い。キリスト最期の7日間について少し下調べしてから観ると一層楽しめる。
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45位『気儘時代』(1938)/マーク・サンドリッチ


【コメント】
アステア×ロジャース作品を初めて観る人にはこれをお勧めしたい。ジンジャー・ロジャースが訳あって街で暴れまくるというアステア×ロジャースものでの少し異色作。アステアがゴルフをしながらタップを踏むという超人的なダンスシークエンスの撮影のために、アステアは10日間のリハーサルの間に1000個のボールを打ち、撮影には2日半もかかったそう。
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44位『ブロードウェイ・メロディー』(1929)/ハリー・ボーモント


【コメント】
MGMのオールトーキー第1作目。話も割とエグいしダンスもあまり洗練された感じではないが、この作品あってこそのMGMと考えるとやっぱり大好きな作品。“All Talking!All Singing!All Dancing!”という宣伝文句がとっても素晴らしい。
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43位 『トミー』(1975)/ケン・ラッセル


【コメント】
ロジャー・ダルトリー主演でザ・フーロックオペラを映画化した作品。初めて観たときは訳分からん映像の寄せ集めって感じがしてそこまで好きではなかったが、最近になってめちゃくちゃ好きになってきた。これはケン・ラッセルがどのような映画監督であるかを知ってから観ないと色々痛い目に遭いそう…。アン・マーグレットがいい感じにエロい。
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42位『スイート・チャリティー』(1969)/ボブ・フォッシー


【コメント】
フェデリコ・フェリーニの傑作『カビリアの夜』をミュージカル映画化した作品。The Rich Man's Frugはボブ・フォッシーの独特な振り付けが印象的で、集団芸術とも言えるくらい動きが洗練されている。また映画ならではのオーバーラップやスローモーションなどのテクニックを用いて舞台版との差別化を図っているのも良い。サミーデイヴィスJrも珍役で出演している。ラストでは号泣した。
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41位『イースターパレード』(1948)/チャールズ・ウォルターズ


【コメント】
最高のレビューシーンの寄せ集め映画として観てみるとめちゃくちゃ楽しめる。アステアが歌う“Drum Crazy”やピーターローフォードとジュディ・ガーランドが歌う“A Fella With An Umbrella”が個人的にはお気に入り。スローモーションの使い方も良い。実はアステアの代わりにジーン・ケリーが出演する予定だったが足首を折ってしまったため出られなくなってしまったそう。ミュージカル映画と言えばこれを推す人も多いので、1度は観てみる価値ありの作品。
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40位『踊る騎士』(1937)/ジョージ・スティーヴンス


【コメント】
これこそ隠れた傑作!!!劇団四季のミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』でも使用されているガーシュイン兄弟の名曲をアステアが歌う!もうファンにとってはこれだけでも貴重な作品。RKOでアステアが唯一ジンジャーとコンビを組まなかった作品。遊園地のセットはかなり作り込まれていて凄いし、ラストのドラムを叩きながらタップを踏む場面は感涙もの。知名度が低いのが惜しまれる作品。
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39位『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)/ジュリー・テイモア


【コメント】
全編ビートルズの楽曲で構成されているミュージカル。話もただの恋愛映画ではなく、結構しっかりと作られているのでオススメ。U2のボノもゲスト出演している。“Being For The Benefit Of Mr. Kite!”を歌うレビューシーンが中々狂ってる。
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38位『踊るブロードウェイ』(1935)/ロイ・デル・ルース


【コメント】
MGMのブロードウェイ・メロディシリーズの2作目。タップの女王ことエレノア・パウエルが主演。地面からピアノや机が出てくるレビューシーンが凄い。『雨に唄えば』でも歌われた超名曲“You Are My Lucky Star”はこの作品でも歌われている。
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37位『ザッツ・ダンシング!』(1984)/ジャック・ヘイリーJr.


【コメント】
最高のオープニングから始まるミュージカル映画のダンスシーンを集めたオムニバス映画。様々なミュージカル映画を知りたい人はこの作品からお気に入りのものを見つけてみるのも良いかも。バスビー・バークレイが演出した『泥酔夢』(日本ソフト未発売)の超圧巻パフォーマンスが見れる貴重な作品でもある。終盤ではマイケル・ジャクソンも登場する、
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36位『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)/ジム・シャーマン


【コメント】
カルト的人気を誇るミュージカル映画。赤い口紅を塗った女性の口が歌うオープニングからして、普通の映画じゃない感じが半端じゃない。“Dammit Janet”の惚気ている感じが好き。中々ぶっ飛んだ作品だけれど、話は普通に面白いので万人におすすめ(微エロあり)。
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35位『アニーよ銃を取れ』(1950)/ジョージ・シドニー


【コメント】
男尊女卑なオチが少し気になるが、中々の傑作。“There's No Business Like Show Business”をみんなで歌う場面と歌で見栄の張り合いをする“Anything You Can Do”がとにかく大好き。主演のベティ・ハットンの迫力ある歌声も堪らない。
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34位『世界中がアイラブユー』(1996)/ウディ・アレン


【コメント】
ウディ・アレンが監督したミュージカル映画。「お前らも歌うんかい!」みたいな瞬間が多くて、観てるだけでとにかく幸せになれる作品。早くこの世ががこの映画の世界ようになって欲しいといつも思ってる。
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33位『晴れて今宵は』(1942)/ウィリアム・A・サイター


【コメント】
『ギルダ』で主演を務めたリタ・ヘイワースフレッド・アステアがコンビを組んだ作品。ダンサーとしてのリタ・ヘイワースは日本であまり有名ではないが、めちゃくちゃキレがあってタップもとっても上手い。アステアと踊る“Shorty George”は、アステアに全く引けを取らない圧巻のダンス!手紙でのやり取りがめちゃくちゃ胸キュンする作品。
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32位『ジーグフェルド・フォリーズ』(1946)/ヴィンセント・ミネリ


【コメント】
一貫したストーリーのないオムニバス形式に近いミュージカル映画。この作品が凄いのはフレッド・アステアジーン・ケリーが共演して2人並んで踊っているってこと。フレームに2人の姿がならん収まっているだけで泣ける。キャストも地味に豪華だし、アステア×ケリーのダンスを見るためだけに観ても損はしない佳作。
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31位『雨に唄えば』(1952)/スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー


【コメント】
名作!名作!と各地で言われている名作。でもやっぱり、ノスタルジー的な要素が結構強い気がして、単体で観てみると結構内容は薄いかも…。ジーン・ケリーに引けを取らないドナルド・オコナーの凄さには最近気がついた。個人的なことだけれど、『時計じかけのオレンジ』を観た後にこっちを観たので、観ている間はどうしてもアレックスの顔が過ってしまうのが少し残念笑。
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30位『オズの魔法使』(1939)/ヴィクター・フレミング


【コメント】
個人的には『雨に唄えば』に次いで世界中の映画人に最も影響を与えてるミュージカル映画だと思う。124人の小人を起用するという今では考えられないキャスティングが当時のハリウッドの凄さを感じさせる。カカシを演じたレイ・ボルジャーが結構好き。
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29位『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』(1982)/アラン・パーカー


【コメント】
これをミュージカル映画として扱っていいかは少し疑問が残るが、とにかく大好きな映画なので無理矢理ねじ込んだ。ピンク・フロイドのアルバム『ザ・ウォール』を映画化した作品。ポスターからもご察しの通りかなりシュールで不気味で悪趣味で怖い映像がとにかく続く。高校生の時に一番聴いたアルバムが『ザ・ウォール』なので、思い入れもそこそこ強い作品。“In The Flesh”を演説風に歌うシーンが一番好き。ちなみに同じくピンク・フロイドの『ファイナル・カット』のPV集と合わせてみるともっと楽しめるかも。
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28位『ザッツ・エンタテインメントPART3』(1994)/バド・フリージェン&マイケル・J・シェリダン


【コメント】
MGMミュージカルの歴史を振り返るザッツ・エンタテインメントシリーズの3作目。前2作と比べ、かなり内容がマニアックになっており、MGMミュージカルがそこまで好きではない人にとってはどうでも良い映画かもしれない。でも、ラストのジーン・ケリーが引用する言葉がとにかく良いので前2作を観た後で迷っているなら是非観て欲しい。レビューシーンの舞台裏も拝めるのは超貴重だと思う。
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27位『ゴールド・ディガーズ』(1933)/マーヴィン・ルロイ


【コメント】
バスビー・バークレイが演出したゴールド・ディガーズシリーズの1作目。やはり特筆すべきなのはバイオリンを使ったレビューシーン。これはもう集団芸術の域に達していて、バークレイの想像力の豊かさにとにかく驚くこと間違いなし。フレッド・アステアの相方で有名なジンジャー・ロジャースもがっつり登場。「不景気なんかブッ飛ばせ」という勢いでめちゃくちゃお金掛けて作ってるのが流石ハリウッドって感じ。
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26位『ハロー・ドーリー!』(196)/ジーン・ケリー


【コメント】
ジーン・ケリー監督、バーバラ・ストライサンド主演という超豪華無双キャスティングの作品。「こういうのが観たかったんだよ!!」というレビューシーンがたくさん詰まっている。ちなみに『ウォーリー』で印象的に使われた“Put On Your Sunday Clothes”はこのミュージカルの曲。
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25位『バイ・バイ・バーディー』(1963)/ジョージ・シドニー


【コメント】
ジョージ・シドニーが監督したミュージカル映画の中ならダントツで好きな作品。エルヴィス・プレスリーの徴兵騒動を風刺したブロードウェイミュージカルの映画化作品。電話越しに歌う“The Telephone Hour”はアイディアの塊だし、“A Lot Of Livin' To Do”は唯一無二の変な振り付けで踊りまくる。60年代ファッションが好きな人は観たら絶対楽しいはず。主演のアン・マーグレットが良い感じのエログラマー美少女で最高。
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24位『ファニー・ガール』(1968)/ウィリアム・ワイラー


【コメント】
海外ドラマ『グリー』が大好きだった頃にその影響で観たらすんごいハマった作品。バーバラ・ストライサンドがすんごいハマリ役でめちゃくちゃ良かった。ミュージカル映画のデュエット曲大好きマンなので“You Are Woman I Am Man”を初めて観たときは発狂しそうになった。少し長いのが気になるが、ラストの“My Man”を聴けばそんなの忘れちゃう。ラストでめちゃくちゃ泣いたミュージカル映画のひとつ。
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23位『シカゴ』(2002)/ロブ・マーシャル


【コメント】
ク○ミュージカル映画しか作らなくなってしまったロブ・マーシャルだけれど、出世作のこの作品は超大好き。ひとつひとつのレビューシーンが凝ってるし、どこを見ても才能しか感じない。今じゃオランジーナの広告塔と化してしまったリチャード・ギアの歌の上手さにはビビるはず。また『シカゴ』並の傑作を撮って欲しいっす。
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22位『マイ・フェア・レディ』(1964)/ジョージ・キューカー


【コメント】
ミュージカル映画の金字塔。“I Could Have Danced All Night”といい“The Rain In Spain”といい感情が最高に高まったときに歌っているのが堪らなく好き。どれも超名曲ばかりだが、その中でも“On The Street Where You Live”が1番好き。片思いの歌っていうのはやっぱり胸に響くんだよなあ。オードリーの歌が吹き替えって知ったときはショックだった…笑。
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21位『キス・ミー・ケイト』(1953)/ジョージ・シドニー


【コメント】
バックステージミュージカルの傑作のひとつ。後半になるとそこまで面白くなくなるが、前半の怒涛のレビューシーンの連続がとにかく最高。アン・ミラーの役柄とキャスリン・グレイソンの役柄が良い感じに対照的になってるのも良い。ダンサーの一員としてボブ・フォッシーも出演している。
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20位『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)/ロバート・ワイズ


【コメント】
ミュージカル映画にハマるきっかけを作ってくれた作品のひとつであり、文句なしの傑作。“Sixteen Going On Seventeen”でミュージカル映画のデュエット曲の良さに目覚めてしまった。リーゼル役の女の子に惚れたのも今となっては良い思い出かな笑。改めて観てみるとロケーションがとてつもないほど最高だと感じた。
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19位『ザッツ・エンタテインメント』(1974)/ジャック・ヘイリー・Jr


【コメント】
ザッツ・エンタテインメントシリーズの1作目。この企画を思いついたプロデューサーは本当に天才だと思うし、この作品が大ヒットしたことが証明しているようにみんなやっぱりかつてのMGMミュージカルが好きなだなあと感じた。この作品を観てから色んなミュージカル映画を観てみるのも良いかも。
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18位『ザッツ・エンタテインメントPART2』(1976)/ジーン・ケリー


【コメント】
もう始まって1分経っただけで涙腺が崩壊するほど泣いた。アステアとジーン・ケリーが司会進行をやってるだけでも泣ける。全盛期から現代にバトンを渡す役割をはしごに託すセンスの良さ!!!!こちらは1作目とは違い、色んなMGMミュージカルを観てから観る方がオススメ。感動が数百倍になること間違いなし!!
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17位『ゴールド・ディガーズ36年』(1935)/バスビー・バークレイ


【コメント】
とにかく終盤のレビューシーンが凄すぎる。沢山のピアノを使ったレビューシーン(よく見るとピアノに足が生えている)も文句なしの凄さだが、大勢のタップダンサーが集団で踊るレビューシーンは気が狂ってるとしか思えないぐらい圧巻。タップ踏んでいる足を下から撮ったショットが印象的。コンドス・ブラザーズも出演している。
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16位『フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル』(1942)/バスビー・バークレイ


【コメント】
ジーン・ケリーのデビュー作。最終的には「アメリカ国債を買おう!」というプロパガンダ映画になってしまうが、話はめちゃくちゃ泣ける。表題曲“For Me And My Gal”でジュディ・ガーランドジーン・ケリーが歌い、タップを踏む場面は超名場面だし、2人に次々と悲劇が襲いかかる様子観てて辛くなる。ジーンケリーとジュディ・ガーランドはこれ以降『踊る海賊』や『サマーストック』でもコンビを組むが、これが1番良かったと個人的には思う。
※レンタル→なし(米国盤DVDあり)

15位『トップ・ハット』(1935)/マーク・サンドリッチ


【コメント】
もうこれぞ古典的ハリウッドミュージカルって感じの超絶大傑作。話もすれ違いコメディで面白い。アステア×ロジャースの人気が本作で確立されたのも納得の作品。アステア×ロジャースの陰に隠れがちだが、本作でのエドワード・エヴェレット・ホートンはアメリカ映画史上最高の名脇役だと思う。
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14位『踊らん哉』(1937)/マーク・サンドリッチ


【コメント】
RKOで製作されたアステア×ロジャースものでは1番好き。『踊る騎士』同様、こちらでもガーシュイン兄弟の名曲がふんだんに使われている。ラスト、大勢のジンジャー・ロジャースの中から本物のジンジャーを見つけ出す“Shall We Dance”が大好き。ローラースケート場で歌う言葉遊びの歌“Let's Call The Whole Thing Off”や超有名曲“They Can't Take That Away From Me”もめちゃくちゃ最高。RKOミュージカルの中でも1番の名曲揃いの作品でもあると思う。
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13位『ロシュフォールの恋人たち』(1966)/


【コメント】
全編を包み込む多幸感に殺されそうになった映画。『シェルブールの雨傘』より断然こっち派。カトリーヌ・ドヌーヴはそんなに好きな顔の女優じゃないんだけど、歌って踊ればめちゃ綺麗に見える。内容はすんごい薄いんだけど、オシャンな色使いと超一流の歌と踊りを観てるだけで身体が自然と踊り出してしまうほど満足する。オープニングのダンスは『ウエスト・サイド物語』っぽくて最高。
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12位『いつも上天気』(1955)/ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン


【コメント】
“I Llke Myself”を歌いながら街中をローラースケートで滑りまくるジーン・ケリーを観るためだけに本編を観たら普通に面白くてビビった。10年後に再会することを誓った戦友3人組が無事に再会できるのだけれど、皆それぞれが違う生き方をしていて再会したことを後悔するが…みたいな話。美しく青きドナウを心の声で替え歌にした“I Shouldn't Have Come”やシド・チャリシーをムサい男達が囲う“Baby You Knock Me Out”もすんごい楽しい。この作品を観てからシド・チャリシーの凄さに改めて気付かされた。ピチピチの服着ながら踊るのがエロいんだなあ笑。ラストのアホらしい感じもミュージカルならではって感じで良い。
※レンタル→なし(米国盤Blu-rayあり)

11位『絹の靴下』(1957)/ルーベン・マムーリア


【コメント】
この間久々に再見したら良すぎてめちゃくちゃハマった。エルンスト・ルビッチニノチカ』のミュージカルリメイク。堅苦しい女を口説く前半と堅苦しい女が生きることや恋の喜びを知る後半の絶妙なバランスが堪らない。シド・チャリシーは『いつも上天気』同様ピチピチの服を着ていてエロい。シド・チャリシーが踊りながら脱ぎ捨てる黒いストッキングは「抑圧」を意味してるのかなあと思った。他の作品と比べてアステアのタップシーンは少ないが、見所たっぷりの超絶大傑作!!
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10位『パリの恋人』(1957)/スタンリー・ドーネン


【コメント】
一時期オードリー・ヘップバーンにどハマりしていた時期があってミュージカルと知らずに借りて観た作品。オードリーが演じる共感主義かぶれのよく分からん娘がめっっっちゃ可愛い。正直オードリー・ヘップバーン主演作品ならこれが1番だと思う。パリに来た喜びを歌う“Bonjour Paris”や現像所でアステアが歌う“Funny Face”などもう全てが最高。カフェで踊る変なバレエもどきの踊りも大好き。ちなみに自分がアステアのことを初めて知ったのはこの映画で、最初は「なんで爺さんがオードリー口説くんだろう」みたいな感じで観てた笑。
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9位『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(2014)/ステュワート・マードック


【コメント】
ジャック・ドゥミの新作を観たような最高の映画体験ができる傑作。まるでオシャンバンドのPVのようなレビューシーンは斬新で、冗談抜きでミュージカル映画の新境地を切り開いた作品だと思う。エミリー・ブラウニングが演じるメンヘラビッチがとにかく最高!!!女はここまで化けるのかとある意味勉強になる。「昔のミュージカルはなんかヤダなあ〜」という人には是非これをお勧めしたい。
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8位『カバーガール』(1944)/チャールズ・ウィダー


【コメント】
ジーン・ケリーリタ・ヘイワースのベストアクトは確実にこの作品。“Make Way For Tomorrow”を歌いながら3人で踊る場面の多幸感はスーパーウルトラ最高。「2人の」ジーン・ケリーが踊ったりするレビューシーンもある。終わり方も素晴らしい!!
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7位『ブロードウェイのバークレー夫妻』(1949)/チャールズ・ウォルターズ


【コメント】
アステア×ロジャースが10年ぶりにスクリーンに帰ってきた作品でもあり、二人が共演した最後の作品。唯一2人の姿をカラーで拝める作品でもある。
本作で2人は愛し合っているが常に口論をしている夫婦を演じている。アステアとジンジャーのファンからすると全然仲良くならないので少し辛いものもあった。ジンジャー演じるダイナはミュージカル女優としてではなく、硬派の芝居に出演して演技派女優になろうと夫に相談するが当然のごとく反対される。この役柄は実際のジンジャーに当てはまる所が少しあってかなり面白かった。ジンジャー・ロジャースといえばWBやRKOのミュージカル映画で有名だが、実はアカデミー賞の主演女優賞を受賞するほど「演技派」の女優なのである。本人もミュージカル映画ばかりに出演していたときに「ミュージカル映画ばかりではなく、もっと“演技”をしたい」という趣旨のことを言っていた。そんなジンジャーの姿と今作のダイナとはぴったり重なる部分があるのである。しかも本作のパフォーマンスはどれも目が離せないものになっている。アステアが靴と踊るダンスはソロで踊るアステアパフォーマンスの中でもかなりお気に入り。アステアとジンジャーがリハで踊るダンスはかつての2人を想起させ、思わず涙を誘われる。オスカーレヴァントのピアノ演奏シーンは本作の隠れた見所となっている。終盤にはアステア×ロジャースの十八番とも言えるべきあの曲が歌われるのだが、そこで泣き叫んだ。こういう演出にはめちゃくちゃ弱い。過去作を少し意識した演出もあるのでアステア×ロジャースの作品を観ていた方が楽しめるが、数も多いのでせめて『踊らん哉』だけでも観てから本作を観ていただきたい。 (Filmarksからの転載)
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6位『四十二番街』(1933)/


【コメント】
16mmプリントで再見したときにあまりにも良すぎて訳も分からず超号泣した。
シンプルなシンデレラストーリーと圧巻のバークレー演出のレビューシーンはミュージカル映画のマスターピースと言っても過言ではない。本作で主役を務めたルビー・キーラーはダンサーとしての評価が日本国内でそこまで高くないので、是非とも激推ししていきたい。ディック・パウエルは見ると殴りたくなるような顔をしていてそこまで好きな俳優ではなかったが、この作品を再見してからそこそこ好きになった。ジンジャー・ロジャースも出演。
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『踊るアメリカ艦隊』(1936)/ロイ・デル・ルース


【コメント】
エレノア・パウエルコール・ポーターを好きになったのも、そこまで知名度の高くないMGMミュージカルを見漁るようになったのもこの作品との出会いのおかげ。知名度が低いのが本当に謎だし、ミュージカル映画黄金期を代表するとんでもない傑作だと思ってる。最大の見所はクッソでかい規格外の戦艦のセットを組んで撮影した10分以上のレビューシーン。戦艦のセットで踊りながら動きまくるエレノア・パウエル(この時の衣装の脚がめちゃエロい!)を追うカメラが最後に引いて、クッソでかいセットの全貌が徐々に現れたときは、凄すぎて目ん玉飛び出しそうになった。個人的に大好きなシーンである序盤のカフェで踊るシーンもフィナーレかよって突っ込みたくなる位力が入ってる。多分半強制的に出演させられたジェームズ・スチュワートも他の役者に負けないよう頑張って踊ってるのが面白い笑。
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4位『ボーイフレンド』(1971)/ケン・ラッセル


【コメント】
イギリスの鬼才ケン・ラッセルがツイッギー主演で監督した作品。MGMが経営不振で倒産寸前のときに、全盛期の輝きをもう一度取り戻そうとしてこの映画が製作されたと想像するだけで泣けてくる。古典的ミュージカルへのオマージュとケン・ラッセルの強烈すぎる演出の相性の良さは半端じゃない。ミュージカルがそこそこ好きな人が観たら、「これはあの作品へのオマージュだ!」というのが分かって結構楽しいかも。マニアックなオマージュだなと感じたのはバディ・イブセンを想起させる高身長のダンサー、トミー・チューンを起用したこと。完全版のミュージカル好きでも飽きるくらい長いレビューシーンは狂気しか感じない。何なら全編狂気に満ちてる。なぜなら古典的ミュージカル映画を現代で完全再現してしまったのだから。
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3位『ウエスト・サイド物語』(1961)/ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンス


【コメント】
古典的ミュージカル映画への「決別」を告げた最初の作品だと思ってる。台詞を最小限まで削り、何もかも踊りと身体の動きで表現する序盤の斬新さ!!!この時の新体操みたいな振り付けは死ぬほどカッコいい。決闘前にみんなが歌う“Quintet”が1番好き。ミュージカル映画としても完璧だけど、ボーイミーツガール映画としても完璧だと思う。女の子に惚れたときに歌でその子の名前を連呼しちゃうのがアホらしいけど、そうしたくなる気持ちもめちゃくちゃ分かる。
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2位『踊るニュウ・ヨーク』(1940)/ノーマン・タウログ


【コメント】
男2人が1人の女性を取り合うというよくある話なのにめちゃくちゃ面白い。アステアとエレノア・パウエル(このキャスティングが実現しただけでもこの作品は最高)が踊る全人類必見の“Begin The Beguine”も勿論最高なんだけど、この映画が凄いのはラストの締め方。3人並んで踊って笑ってハッピーエンドを迎える。こんな多幸感溢れるラストはなかなか無い。辛いことあったときはこの映画のラストシーン観て泣きまくってる。ちなみにアステアとパウエルが踊るシーン“Begin The Beguine”は当時の金額で12万ドルもかかったらしい(当時の一流スターのギャラが10万ドル)。
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1位『バンド・ワゴン』(1953)/ヴィンセント・ミネリ


【コメント】
宝箱、マスターピース、宇宙、人生。もうどんな言葉を使ってもこの作品の良さは説明できない。初めて観たときに、心の底から生きてて良かったと思えたし、今でも観るたびに生の喜びを感じる。フレッド・アステアが廃れてしまった古風な風潮に縛られるダンサーを演じている(それだけで泣けてくる)。アステアが1人寂しく歌う“By Myself”、とにかく楽しい“That's Entertainment”、アステアとシド・チャリシーが踊る“Dancing In The Dark”、フレーム内を多幸感で支配する“I Love Louisa”、そして最高の大団円。言葉で説明しきれない感情をここまで豊かにダンスで表現できるのは天才の所業としか思えない。完璧。完璧すぎて怖い。死ぬ前にはこの映画を観ながら死にたいなぁ〜。

いかがでしたか?ここまで書いてきて、ミュージカル映画の魅力を文章で伝えることの難しさを痛感しました。それだけミュージカルというものは人間の感情に直接訴えかけてくるものだと思います。ひとつひとつの作品のコメントは本当に文章がめちゃくちゃな上に適当で、作品の魅力を正確に伝えられてないものが殆どなので、是非皆様の目で実際に作品をご覧になって下さい!!!
次回はランキング以外の記事を書いていけたらいいなと思っています。今年中にオールタイムベスト100を発表しようと思っているのですが、中々時間が掛かりそうです笑。

ロイ(@_rrroy_ridley)