よく食べよく寝る人の部屋

東京在住の会社員が色々書きます

2017年新作映画ワースト10

お久しぶりです。2017年があと数時間で終わる頃に年内2回目の更新をすることになってしまいました笑。今年も例年通り年間ベスト10で書こうと思っていたのですが、ツイッターでテキトーに今年の映画ワースト10を組んでいたら 劇場を出たときの絶望感がまた押し寄せてきたので今年はその怒りをこの廃れたブログにぶちまけてやろうと思います。なので誰も得しない記事となっております。
また、これはあくまでミーハー映画好きの戯言です。「何もわかってねえ」とか「映画観る資格ない」とか思って頂いて結構です。それにいくら主観的に書くとはいえ「この映画好きな奴は〜」とかは一切書くつもりはありませんし、美女が今から並べる映画のことを褒め称えたらもちろん褒め称えます。みんなそういうスタンスでしょ笑?
※ネタバレには割と配慮しましたが、サラッとしてる(かもしれない)のでネタバレ完全回避したい方はプラウザを閉じることをお勧めします。

10位 恋と嘘


→古澤監督の映画は大好きで何本か観ており、今年公開の『ReLife』も超大好きだったのですがこれはシンプルにつまらなかった…。物語後半の『キミスイ』的展開には辟易(北村匠海がどちらにも出てるから余計無理だった。)したし、森川葵にそこまで魅力がない…。でも冒頭のチープなSF感溢れる設定説明とか近未来的な学校のロケーションは良かった。未来の恋人が政府から通知されるという設定なら、いつまでも通知がこない孤独な成人男性の物語が見たかったりもする…。

9位 ワンダーウーマン


→本当につまんなかった。そう感じてしまったのはワンダー・ウーマンがいなくても完全にストーリーが成立してしまうからだと思う。ワンダー・ウーマンの恋人役であるスティーブの方がよっぽどヒーローだった。それに敵役もなんかショボい…。『ジャスティス・リーグ』は楽しみにしてたのに風邪で行けなかったのは今となってはいい思い出。ちなみにDCEUのベストは『マン・オブ・スティール』だよ!

8位 レゴバッドマン ザ・ムービー


→『レゴムービー』は大好きだし、なんならレゴも大好き(大掃除でいっつも大量のレゴを捨てないから家に未だに大量にレゴがある)だけど、これは無理だった。でも記憶に無さすぎてなんで無理だったのかはあんまり思い出せない…。多分ノリについて行けなかったのと「レゴらしさ」があまり生かせてなかったからだと思う。また観たら印象変わるかも(あんまり観る気はない)。

7位 ダンケルク


→寝た。久々にIMAXのど真ん中で寝た。昼に観に行ったのに爆睡した。本当に気持ちの良い睡眠を爆音の飛行機が時々遮った。そこがとにかく不快だった。以上。

6位 君の膵臓を食べたい


→気色悪いタイトルだなあと思っていたら内容がそれ以上に気持ち悪かった。浜辺美波はすんごい可愛いのに、役がキモすぎるせいで全然魅力的じゃない。難病モノと思わせておいてからの最後のオチは一体なんなんだ。それに小栗旬パートのつまらなさが異常。よくあそこまでつまらない映像作品(映画と言いたくない)を作れたなと思った。図書館をここまで魅力的に撮れないのはある意味才能だと思う。唯一良かったのは上地雄輔。羞恥心の一員じゃなくて役者になってて感動した。そこが一番の感動ポイントだと思う。

5位 ラビング 愛という名前のふたり


→ムビチケが当たったから観た。こういう実在の人物をモデルにした映画だと実際の写真や映像をいかに映画内で観せないかが重要だと思っているんだけど、これは見事に最後に実際の映像を見せてしまうから本当に辟易した。実際の映像ばかりが印象に残って映画の内容全部忘れた。しかし、『8年越しの花嫁』はその点をしっかりと踏まえて最後にチラッと実在の夫婦を見せるから素晴らしかった。

4位 ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:リミックス


→ヒーロー映画を観て不快になるというとんでもない映画体験をした。ELOが大好きなのでオープニングはまだ楽しめたがそれ以降のギャグがとにかく最悪。低レベルすぎる下ネタと基本他人の外見の中傷。そしてダレまくるテンポ。ディズニーがこんなことに金をつぎ込んでいることに心底失望した。なんだったんだあれ…。1作目はかなり好きだったのに、この映画のせいで一切興味なくなった。音楽でベタに泣かせようとする演出もクソみたいなギャグのせいで全然泣けない。ある意味天才。

3位 夜空はいつでも最高密度の青色だ


→は?というタイトルの映画だったけれど、内容もは?という感じ。都会で生きる者たちが心に秘めている生きづらさとか不安とか孤独とかそういうのに負けずに、少し前を向く映画を撮りたかったんだろうけど絶望的に退屈。アニメの挿入だったり少し凝った編集も鼻につく。台詞に関してもネガティヴ志向な自分でさえ嫌気がさすほどネガティヴなものが多く(特に石橋静河)、死について語ってるときとかも「じゃあ俺がぶっ殺してやろうか!!!」って思うほどムカついた。それと、ちょくちょく出てくるストリートミュージシャンも寄りで撮るとクソブスで萎えた。これは致命的。とにかく石橋静河が無理すぎた。

2位 メッセージ


ヴィルヌーヴはもう映画撮らないでくれ。本当によくここまでつまらない映画を作れたとある意味感心してしまった。原作を読んでいなかったので物語のロジック自体には感動した(けど今となっては忘れた)が、後はつまらなさの極み。異星人とのやりとりの凡庸さ、テンポのかったるさ、エイミー・アダムスの寄りのショットの魅力の無さ(シンプルにブス)欠点挙げたらマジで止まんない。ヴィルヌーヴに映画はスライドショーじゃねえんだよって誰か教えてあげてほしい。

1位 ラ・ラ・ランド


→今年1年ずっとこの映画について考えていた(気持ち悪すぎる)。ミュージカル映画を心の底から愛する者としてはこんなお粗末なミュージカルが世間的にウケてることに心底腹が立ったし、『ラ・ラ・ランド』は最高のミュージカル映画!とか言ってる民を心底ぶん殴ってやりたくなる時に何度も直面した。冴えないナンバーの数々にダサすぎる長回し、タップしてんのかしてないのかよく分からないダンス、ミュージカル映画舐めてんだろと何度もキレそうになった。
このモヤモヤと怒りを半年以上引きずった状態で『最後のジェダイ』を観たときに私はあることに気がついてしまった。『最後のジェダイ』は新しいスター・ウォーズを作ろうとするディズニーの経営方針に乗っ取り、ルークやハンを物語から退場させフォースの木を燃やしたり、ファンの期待を裏切りまくってまで新しいものを生み出そうとしていた。私は心底そこに感動したのだが、新しいものを生み出すという観点から『ラ・ラ・ランド』を考えてみると納得のいく答えが出た。『ラ・ラ・ランド』は「ミュージカルはこうでなくてはいけない」という枠組みをぶっ壊したミュージカル映画だったのではないかと。私のようなオタク達が大好きな古き良きミュージカルの型にはまったミュージカルばかり作っていても何も新しいミュージカル映画は生まれない。これはスター・ウォーズシリーズも同等のことが言える。それに、アステアやジーン・ケリーのようなスーパースターがいない現在、型にはまったモノばかり生み出していても余計同じことの繰り返し、オリジナル越えのない過去の模倣になってしまうのではないかと。チャゼルはそれに気がついてわざとああいうミュージカル映画を作ったのではないか。そういう視点で『ラ・ラ・ランド』を観てみると、過去作のオマージュがなぜ表面的なものばかりなのかなのも納得がいく。
ラ・ラ・ランド』によってこれからのハリウッドミュージカル映画は一歩前進したと私は感じた。褒めすぎだとは思うけれど、こうじゃないと自分を納得させることができない。こうして私と『ラ・ラ・ランド』との戦いは幕を閉じた。

あとがき

結局『ラ・ラ・ランド』のことばっか印象に残る記事になってしまいました。ちなみにベスト10も一応挙げておきます。みなさん良いお年を!

『ラ・ラ・ランド』公開記念!!独断と偏見で決めたミュージカル映画ベスト50

皆さんお久しぶりです。相変わらずブログの更新が超不定期ですみません笑。

今回は『ラ・ラ・ランド』公開記念!!独断と偏見で決めたミュージカル映画ベスト50と題しましてやっていこうと思います。少し前、米映画サイトThe Playlistが「ミュージカル映画トップ50」というものを発表しました。→The 50 Best Movie Musicals Of All Time
※こちらで日本語のランキングは見れます→米映画サイト選出「史上最高のミュージカル映画ベスト50」 (映画.com) - LINEアカウントメディア
このランキングを見て「俺の好きな作品もミュージカル黄金時代の作品もが全然入ってない!!!!」とまず最初に感じました。ミュージカル黄金時代とはミュージカル映画が盛んに製作されていた30年代〜50年代を指します。30年代〜50年代の隠れた傑作ミュージカル映画を1人でも多くの人に伝えたいという願望とThe Playlistへの対抗心から、このようなランキングを作成しようと思いました。中には珍作も紛れていますが、かなり厳選して選んだので実際に観て頂いて楽しめるものが多いと思います。なお、今回は日本のミュージカル映画は外させていただきました。

50位『若草の頃』(1944)/ヴィンセント・ミネリ


【コメント】
戦争中にこんなに煌びやかな映画が製作されているアメリカとはどんな国なんだと思った作品。テクニカラーで彩られた衣装とセットがとにかく美しくて眼福。“The Trolley Song”や“Have Yourself A Merry Little Christmas”など沢山の名曲が使用されている。ちなみにイギリスのバンド、イット・バイツがこの映画の原題を捩った“Eat Me In St. Louis”というアルバムを出している。
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49位『踊る大紐育』(1949)/スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー

【コメント】
最初観たときは「つまんなくね?」と感じ、2回目観たときも「やっぱつまんなくね??」と感じた作品だけれど、好きなところも沢山ある作品。冒頭のニューヨークロケは勿論、タップダンサーのアン・ミラーの超絶横移動タップシーンだったり、オールスターが揃って屋上で歌うシーンはとっても楽しい。「ミス地下鉄」を誇大解釈しちゃうジーン・ケリーも可愛い。フランク・シナトラも出演。
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48位『ピンナップ・ガール』(1944)/H・ブルース・ハンバーストン


【コメント】
20世紀フォックスが製作したミュージカル映画の中でも隠れた傑作。本編で2回登場するコンドス・ブラザーズのタップシーンもたっぷり楽しめるし、最後の軍隊の行進は迫力いっぱい。ミュージカル映画は長尺のものが多いがこれはそんなことないので気軽に観れる。
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47位『会議は踊る』(1931)/エリック・シャレル


【コメント】
ヒロインが人々に祝福されながら街中を馬車に乗りながら歌う場面を初めて観たときに、ミュージカル映画(オペレッタ映画)は既にこの時点で完成されていたのではないかと思った。酒場のシーン(酒場の歌の相性の良さは半端じゃない)といい、映画全体を通じて歌う喜びをこれほど強く感じさせてくれる映画は数少ないはず。
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46位『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1973)/ノーマン・ジェイソン


【コメント】
ユダ役を演じたカール・アンダーソンの歌声だけでもうこの映画が大好きになる。アンドリュー・ロイド・ウェーバーが作曲したロックオペラをベースにしているのもあってか、思わず歌いたくなるような名曲が多い。キリスト最期の7日間について少し下調べしてから観ると一層楽しめる。
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45位『気儘時代』(1938)/マーク・サンドリッチ


【コメント】
アステア×ロジャース作品を初めて観る人にはこれをお勧めしたい。ジンジャー・ロジャースが訳あって街で暴れまくるというアステア×ロジャースものでの少し異色作。アステアがゴルフをしながらタップを踏むという超人的なダンスシークエンスの撮影のために、アステアは10日間のリハーサルの間に1000個のボールを打ち、撮影には2日半もかかったそう。
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44位『ブロードウェイ・メロディー』(1929)/ハリー・ボーモント


【コメント】
MGMのオールトーキー第1作目。話も割とエグいしダンスもあまり洗練された感じではないが、この作品あってこそのMGMと考えるとやっぱり大好きな作品。“All Talking!All Singing!All Dancing!”という宣伝文句がとっても素晴らしい。
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43位 『トミー』(1975)/ケン・ラッセル


【コメント】
ロジャー・ダルトリー主演でザ・フーロックオペラを映画化した作品。初めて観たときは訳分からん映像の寄せ集めって感じがしてそこまで好きではなかったが、最近になってめちゃくちゃ好きになってきた。これはケン・ラッセルがどのような映画監督であるかを知ってから観ないと色々痛い目に遭いそう…。アン・マーグレットがいい感じにエロい。
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42位『スイート・チャリティー』(1969)/ボブ・フォッシー


【コメント】
フェデリコ・フェリーニの傑作『カビリアの夜』をミュージカル映画化した作品。The Rich Man's Frugはボブ・フォッシーの独特な振り付けが印象的で、集団芸術とも言えるくらい動きが洗練されている。また映画ならではのオーバーラップやスローモーションなどのテクニックを用いて舞台版との差別化を図っているのも良い。サミーデイヴィスJrも珍役で出演している。ラストでは号泣した。
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41位『イースターパレード』(1948)/チャールズ・ウォルターズ


【コメント】
最高のレビューシーンの寄せ集め映画として観てみるとめちゃくちゃ楽しめる。アステアが歌う“Drum Crazy”やピーターローフォードとジュディ・ガーランドが歌う“A Fella With An Umbrella”が個人的にはお気に入り。スローモーションの使い方も良い。実はアステアの代わりにジーン・ケリーが出演する予定だったが足首を折ってしまったため出られなくなってしまったそう。ミュージカル映画と言えばこれを推す人も多いので、1度は観てみる価値ありの作品。
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40位『踊る騎士』(1937)/ジョージ・スティーヴンス


【コメント】
これこそ隠れた傑作!!!劇団四季のミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』でも使用されているガーシュイン兄弟の名曲をアステアが歌う!もうファンにとってはこれだけでも貴重な作品。RKOでアステアが唯一ジンジャーとコンビを組まなかった作品。遊園地のセットはかなり作り込まれていて凄いし、ラストのドラムを叩きながらタップを踏む場面は感涙もの。知名度が低いのが惜しまれる作品。
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39位『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)/ジュリー・テイモア


【コメント】
全編ビートルズの楽曲で構成されているミュージカル。話もただの恋愛映画ではなく、結構しっかりと作られているのでオススメ。U2のボノもゲスト出演している。“Being For The Benefit Of Mr. Kite!”を歌うレビューシーンが中々狂ってる。
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38位『踊るブロードウェイ』(1935)/ロイ・デル・ルース


【コメント】
MGMのブロードウェイ・メロディシリーズの2作目。タップの女王ことエレノア・パウエルが主演。地面からピアノや机が出てくるレビューシーンが凄い。『雨に唄えば』でも歌われた超名曲“You Are My Lucky Star”はこの作品でも歌われている。
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37位『ザッツ・ダンシング!』(1984)/ジャック・ヘイリーJr.


【コメント】
最高のオープニングから始まるミュージカル映画のダンスシーンを集めたオムニバス映画。様々なミュージカル映画を知りたい人はこの作品からお気に入りのものを見つけてみるのも良いかも。バスビー・バークレイが演出した『泥酔夢』(日本ソフト未発売)の超圧巻パフォーマンスが見れる貴重な作品でもある。終盤ではマイケル・ジャクソンも登場する、
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36位『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)/ジム・シャーマン


【コメント】
カルト的人気を誇るミュージカル映画。赤い口紅を塗った女性の口が歌うオープニングからして、普通の映画じゃない感じが半端じゃない。“Dammit Janet”の惚気ている感じが好き。中々ぶっ飛んだ作品だけれど、話は普通に面白いので万人におすすめ(微エロあり)。
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35位『アニーよ銃を取れ』(1950)/ジョージ・シドニー


【コメント】
男尊女卑なオチが少し気になるが、中々の傑作。“There's No Business Like Show Business”をみんなで歌う場面と歌で見栄の張り合いをする“Anything You Can Do”がとにかく大好き。主演のベティ・ハットンの迫力ある歌声も堪らない。
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34位『世界中がアイラブユー』(1996)/ウディ・アレン


【コメント】
ウディ・アレンが監督したミュージカル映画。「お前らも歌うんかい!」みたいな瞬間が多くて、観てるだけでとにかく幸せになれる作品。早くこの世ががこの映画の世界ようになって欲しいといつも思ってる。
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33位『晴れて今宵は』(1942)/ウィリアム・A・サイター


【コメント】
『ギルダ』で主演を務めたリタ・ヘイワースフレッド・アステアがコンビを組んだ作品。ダンサーとしてのリタ・ヘイワースは日本であまり有名ではないが、めちゃくちゃキレがあってタップもとっても上手い。アステアと踊る“Shorty George”は、アステアに全く引けを取らない圧巻のダンス!手紙でのやり取りがめちゃくちゃ胸キュンする作品。
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32位『ジーグフェルド・フォリーズ』(1946)/ヴィンセント・ミネリ


【コメント】
一貫したストーリーのないオムニバス形式に近いミュージカル映画。この作品が凄いのはフレッド・アステアジーン・ケリーが共演して2人並んで踊っているってこと。フレームに2人の姿がならん収まっているだけで泣ける。キャストも地味に豪華だし、アステア×ケリーのダンスを見るためだけに観ても損はしない佳作。
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31位『雨に唄えば』(1952)/スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー


【コメント】
名作!名作!と各地で言われている名作。でもやっぱり、ノスタルジー的な要素が結構強い気がして、単体で観てみると結構内容は薄いかも…。ジーン・ケリーに引けを取らないドナルド・オコナーの凄さには最近気がついた。個人的なことだけれど、『時計じかけのオレンジ』を観た後にこっちを観たので、観ている間はどうしてもアレックスの顔が過ってしまうのが少し残念笑。
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30位『オズの魔法使』(1939)/ヴィクター・フレミング


【コメント】
個人的には『雨に唄えば』に次いで世界中の映画人に最も影響を与えてるミュージカル映画だと思う。124人の小人を起用するという今では考えられないキャスティングが当時のハリウッドの凄さを感じさせる。カカシを演じたレイ・ボルジャーが結構好き。
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29位『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』(1982)/アラン・パーカー


【コメント】
これをミュージカル映画として扱っていいかは少し疑問が残るが、とにかく大好きな映画なので無理矢理ねじ込んだ。ピンク・フロイドのアルバム『ザ・ウォール』を映画化した作品。ポスターからもご察しの通りかなりシュールで不気味で悪趣味で怖い映像がとにかく続く。高校生の時に一番聴いたアルバムが『ザ・ウォール』なので、思い入れもそこそこ強い作品。“In The Flesh”を演説風に歌うシーンが一番好き。ちなみに同じくピンク・フロイドの『ファイナル・カット』のPV集と合わせてみるともっと楽しめるかも。
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28位『ザッツ・エンタテインメントPART3』(1994)/バド・フリージェン&マイケル・J・シェリダン


【コメント】
MGMミュージカルの歴史を振り返るザッツ・エンタテインメントシリーズの3作目。前2作と比べ、かなり内容がマニアックになっており、MGMミュージカルがそこまで好きではない人にとってはどうでも良い映画かもしれない。でも、ラストのジーン・ケリーが引用する言葉がとにかく良いので前2作を観た後で迷っているなら是非観て欲しい。レビューシーンの舞台裏も拝めるのは超貴重だと思う。
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27位『ゴールド・ディガーズ』(1933)/マーヴィン・ルロイ


【コメント】
バスビー・バークレイが演出したゴールド・ディガーズシリーズの1作目。やはり特筆すべきなのはバイオリンを使ったレビューシーン。これはもう集団芸術の域に達していて、バークレイの想像力の豊かさにとにかく驚くこと間違いなし。フレッド・アステアの相方で有名なジンジャー・ロジャースもがっつり登場。「不景気なんかブッ飛ばせ」という勢いでめちゃくちゃお金掛けて作ってるのが流石ハリウッドって感じ。
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26位『ハロー・ドーリー!』(196)/ジーン・ケリー


【コメント】
ジーン・ケリー監督、バーバラ・ストライサンド主演という超豪華無双キャスティングの作品。「こういうのが観たかったんだよ!!」というレビューシーンがたくさん詰まっている。ちなみに『ウォーリー』で印象的に使われた“Put On Your Sunday Clothes”はこのミュージカルの曲。
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25位『バイ・バイ・バーディー』(1963)/ジョージ・シドニー


【コメント】
ジョージ・シドニーが監督したミュージカル映画の中ならダントツで好きな作品。エルヴィス・プレスリーの徴兵騒動を風刺したブロードウェイミュージカルの映画化作品。電話越しに歌う“The Telephone Hour”はアイディアの塊だし、“A Lot Of Livin' To Do”は唯一無二の変な振り付けで踊りまくる。60年代ファッションが好きな人は観たら絶対楽しいはず。主演のアン・マーグレットが良い感じのエログラマー美少女で最高。
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24位『ファニー・ガール』(1968)/ウィリアム・ワイラー


【コメント】
海外ドラマ『グリー』が大好きだった頃にその影響で観たらすんごいハマった作品。バーバラ・ストライサンドがすんごいハマリ役でめちゃくちゃ良かった。ミュージカル映画のデュエット曲大好きマンなので“You Are Woman I Am Man”を初めて観たときは発狂しそうになった。少し長いのが気になるが、ラストの“My Man”を聴けばそんなの忘れちゃう。ラストでめちゃくちゃ泣いたミュージカル映画のひとつ。
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23位『シカゴ』(2002)/ロブ・マーシャル


【コメント】
ク○ミュージカル映画しか作らなくなってしまったロブ・マーシャルだけれど、出世作のこの作品は超大好き。ひとつひとつのレビューシーンが凝ってるし、どこを見ても才能しか感じない。今じゃオランジーナの広告塔と化してしまったリチャード・ギアの歌の上手さにはビビるはず。また『シカゴ』並の傑作を撮って欲しいっす。
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22位『マイ・フェア・レディ』(1964)/ジョージ・キューカー


【コメント】
ミュージカル映画の金字塔。“I Could Have Danced All Night”といい“The Rain In Spain”といい感情が最高に高まったときに歌っているのが堪らなく好き。どれも超名曲ばかりだが、その中でも“On The Street Where You Live”が1番好き。片思いの歌っていうのはやっぱり胸に響くんだよなあ。オードリーの歌が吹き替えって知ったときはショックだった…笑。
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21位『キス・ミー・ケイト』(1953)/ジョージ・シドニー


【コメント】
バックステージミュージカルの傑作のひとつ。後半になるとそこまで面白くなくなるが、前半の怒涛のレビューシーンの連続がとにかく最高。アン・ミラーの役柄とキャスリン・グレイソンの役柄が良い感じに対照的になってるのも良い。ダンサーの一員としてボブ・フォッシーも出演している。
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20位『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)/ロバート・ワイズ


【コメント】
ミュージカル映画にハマるきっかけを作ってくれた作品のひとつであり、文句なしの傑作。“Sixteen Going On Seventeen”でミュージカル映画のデュエット曲の良さに目覚めてしまった。リーゼル役の女の子に惚れたのも今となっては良い思い出かな笑。改めて観てみるとロケーションがとてつもないほど最高だと感じた。
※レンタル→DVD

19位『ザッツ・エンタテインメント』(1974)/ジャック・ヘイリー・Jr


【コメント】
ザッツ・エンタテインメントシリーズの1作目。この企画を思いついたプロデューサーは本当に天才だと思うし、この作品が大ヒットしたことが証明しているようにみんなやっぱりかつてのMGMミュージカルが好きなだなあと感じた。この作品を観てから色んなミュージカル映画を観てみるのも良いかも。
※レンタル→DVD

18位『ザッツ・エンタテインメントPART2』(1976)/ジーン・ケリー


【コメント】
もう始まって1分経っただけで涙腺が崩壊するほど泣いた。アステアとジーン・ケリーが司会進行をやってるだけでも泣ける。全盛期から現代にバトンを渡す役割をはしごに託すセンスの良さ!!!!こちらは1作目とは違い、色んなMGMミュージカルを観てから観る方がオススメ。感動が数百倍になること間違いなし!!
※レンタル→DVD

17位『ゴールド・ディガーズ36年』(1935)/バスビー・バークレイ


【コメント】
とにかく終盤のレビューシーンが凄すぎる。沢山のピアノを使ったレビューシーン(よく見るとピアノに足が生えている)も文句なしの凄さだが、大勢のタップダンサーが集団で踊るレビューシーンは気が狂ってるとしか思えないぐらい圧巻。タップ踏んでいる足を下から撮ったショットが印象的。コンドス・ブラザーズも出演している。
※レンタル→VHS

16位『フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル』(1942)/バスビー・バークレイ


【コメント】
ジーン・ケリーのデビュー作。最終的には「アメリカ国債を買おう!」というプロパガンダ映画になってしまうが、話はめちゃくちゃ泣ける。表題曲“For Me And My Gal”でジュディ・ガーランドジーン・ケリーが歌い、タップを踏む場面は超名場面だし、2人に次々と悲劇が襲いかかる様子観てて辛くなる。ジーンケリーとジュディ・ガーランドはこれ以降『踊る海賊』や『サマーストック』でもコンビを組むが、これが1番良かったと個人的には思う。
※レンタル→なし(米国盤DVDあり)

15位『トップ・ハット』(1935)/マーク・サンドリッチ


【コメント】
もうこれぞ古典的ハリウッドミュージカルって感じの超絶大傑作。話もすれ違いコメディで面白い。アステア×ロジャースの人気が本作で確立されたのも納得の作品。アステア×ロジャースの陰に隠れがちだが、本作でのエドワード・エヴェレット・ホートンはアメリカ映画史上最高の名脇役だと思う。
※レンタル→DVD

14位『踊らん哉』(1937)/マーク・サンドリッチ


【コメント】
RKOで製作されたアステア×ロジャースものでは1番好き。『踊る騎士』同様、こちらでもガーシュイン兄弟の名曲がふんだんに使われている。ラスト、大勢のジンジャー・ロジャースの中から本物のジンジャーを見つけ出す“Shall We Dance”が大好き。ローラースケート場で歌う言葉遊びの歌“Let's Call The Whole Thing Off”や超有名曲“They Can't Take That Away From Me”もめちゃくちゃ最高。RKOミュージカルの中でも1番の名曲揃いの作品でもあると思う。
※レンタル→DVD

13位『ロシュフォールの恋人たち』(1966)/


【コメント】
全編を包み込む多幸感に殺されそうになった映画。『シェルブールの雨傘』より断然こっち派。カトリーヌ・ドヌーヴはそんなに好きな顔の女優じゃないんだけど、歌って踊ればめちゃ綺麗に見える。内容はすんごい薄いんだけど、オシャンな色使いと超一流の歌と踊りを観てるだけで身体が自然と踊り出してしまうほど満足する。オープニングのダンスは『ウエスト・サイド物語』っぽくて最高。
※レンタル→DVD

12位『いつも上天気』(1955)/ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン


【コメント】
“I Llke Myself”を歌いながら街中をローラースケートで滑りまくるジーン・ケリーを観るためだけに本編を観たら普通に面白くてビビった。10年後に再会することを誓った戦友3人組が無事に再会できるのだけれど、皆それぞれが違う生き方をしていて再会したことを後悔するが…みたいな話。美しく青きドナウを心の声で替え歌にした“I Shouldn't Have Come”やシド・チャリシーをムサい男達が囲う“Baby You Knock Me Out”もすんごい楽しい。この作品を観てからシド・チャリシーの凄さに改めて気付かされた。ピチピチの服着ながら踊るのがエロいんだなあ笑。ラストのアホらしい感じもミュージカルならではって感じで良い。
※レンタル→なし(米国盤Blu-rayあり)

11位『絹の靴下』(1957)/ルーベン・マムーリア


【コメント】
この間久々に再見したら良すぎてめちゃくちゃハマった。エルンスト・ルビッチニノチカ』のミュージカルリメイク。堅苦しい女を口説く前半と堅苦しい女が生きることや恋の喜びを知る後半の絶妙なバランスが堪らない。シド・チャリシーは『いつも上天気』同様ピチピチの服を着ていてエロい。シド・チャリシーが踊りながら脱ぎ捨てる黒いストッキングは「抑圧」を意味してるのかなあと思った。他の作品と比べてアステアのタップシーンは少ないが、見所たっぷりの超絶大傑作!!
※レンタル→DVD

10位『パリの恋人』(1957)/スタンリー・ドーネン


【コメント】
一時期オードリー・ヘップバーンにどハマりしていた時期があってミュージカルと知らずに借りて観た作品。オードリーが演じる共感主義かぶれのよく分からん娘がめっっっちゃ可愛い。正直オードリー・ヘップバーン主演作品ならこれが1番だと思う。パリに来た喜びを歌う“Bonjour Paris”や現像所でアステアが歌う“Funny Face”などもう全てが最高。カフェで踊る変なバレエもどきの踊りも大好き。ちなみに自分がアステアのことを初めて知ったのはこの映画で、最初は「なんで爺さんがオードリー口説くんだろう」みたいな感じで観てた笑。
※レンタル→DVD

9位『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(2014)/ステュワート・マードック


【コメント】
ジャック・ドゥミの新作を観たような最高の映画体験ができる傑作。まるでオシャンバンドのPVのようなレビューシーンは斬新で、冗談抜きでミュージカル映画の新境地を切り開いた作品だと思う。エミリー・ブラウニングが演じるメンヘラビッチがとにかく最高!!!女はここまで化けるのかとある意味勉強になる。「昔のミュージカルはなんかヤダなあ〜」という人には是非これをお勧めしたい。
※レンタル→DVD

8位『カバーガール』(1944)/チャールズ・ウィダー


【コメント】
ジーン・ケリーリタ・ヘイワースのベストアクトは確実にこの作品。“Make Way For Tomorrow”を歌いながら3人で踊る場面の多幸感はスーパーウルトラ最高。「2人の」ジーン・ケリーが踊ったりするレビューシーンもある。終わり方も素晴らしい!!
※レンタル→DVD

7位『ブロードウェイのバークレー夫妻』(1949)/チャールズ・ウォルターズ


【コメント】
アステア×ロジャースが10年ぶりにスクリーンに帰ってきた作品でもあり、二人が共演した最後の作品。唯一2人の姿をカラーで拝める作品でもある。
本作で2人は愛し合っているが常に口論をしている夫婦を演じている。アステアとジンジャーのファンからすると全然仲良くならないので少し辛いものもあった。ジンジャー演じるダイナはミュージカル女優としてではなく、硬派の芝居に出演して演技派女優になろうと夫に相談するが当然のごとく反対される。この役柄は実際のジンジャーに当てはまる所が少しあってかなり面白かった。ジンジャー・ロジャースといえばWBやRKOのミュージカル映画で有名だが、実はアカデミー賞の主演女優賞を受賞するほど「演技派」の女優なのである。本人もミュージカル映画ばかりに出演していたときに「ミュージカル映画ばかりではなく、もっと“演技”をしたい」という趣旨のことを言っていた。そんなジンジャーの姿と今作のダイナとはぴったり重なる部分があるのである。しかも本作のパフォーマンスはどれも目が離せないものになっている。アステアが靴と踊るダンスはソロで踊るアステアパフォーマンスの中でもかなりお気に入り。アステアとジンジャーがリハで踊るダンスはかつての2人を想起させ、思わず涙を誘われる。オスカーレヴァントのピアノ演奏シーンは本作の隠れた見所となっている。終盤にはアステア×ロジャースの十八番とも言えるべきあの曲が歌われるのだが、そこで泣き叫んだ。こういう演出にはめちゃくちゃ弱い。過去作を少し意識した演出もあるのでアステア×ロジャースの作品を観ていた方が楽しめるが、数も多いのでせめて『踊らん哉』だけでも観てから本作を観ていただきたい。 (Filmarksからの転載)
※レンタル→VHS

6位『四十二番街』(1933)/


【コメント】
16mmプリントで再見したときにあまりにも良すぎて訳も分からず超号泣した。
シンプルなシンデレラストーリーと圧巻のバークレー演出のレビューシーンはミュージカル映画のマスターピースと言っても過言ではない。本作で主役を務めたルビー・キーラーはダンサーとしての評価が日本国内でそこまで高くないので、是非とも激推ししていきたい。ディック・パウエルは見ると殴りたくなるような顔をしていてそこまで好きな俳優ではなかったが、この作品を再見してからそこそこ好きになった。ジンジャー・ロジャースも出演。
※レンタル→DVD

『踊るアメリカ艦隊』(1936)/ロイ・デル・ルース


【コメント】
エレノア・パウエルコール・ポーターを好きになったのも、そこまで知名度の高くないMGMミュージカルを見漁るようになったのもこの作品との出会いのおかげ。知名度が低いのが本当に謎だし、ミュージカル映画黄金期を代表するとんでもない傑作だと思ってる。最大の見所はクッソでかい規格外の戦艦のセットを組んで撮影した10分以上のレビューシーン。戦艦のセットで踊りながら動きまくるエレノア・パウエル(この時の衣装の脚がめちゃエロい!)を追うカメラが最後に引いて、クッソでかいセットの全貌が徐々に現れたときは、凄すぎて目ん玉飛び出しそうになった。個人的に大好きなシーンである序盤のカフェで踊るシーンもフィナーレかよって突っ込みたくなる位力が入ってる。多分半強制的に出演させられたジェームズ・スチュワートも他の役者に負けないよう頑張って踊ってるのが面白い笑。
※レンタル→DVD

4位『ボーイフレンド』(1971)/ケン・ラッセル


【コメント】
イギリスの鬼才ケン・ラッセルがツイッギー主演で監督した作品。MGMが経営不振で倒産寸前のときに、全盛期の輝きをもう一度取り戻そうとしてこの映画が製作されたと想像するだけで泣けてくる。古典的ミュージカルへのオマージュとケン・ラッセルの強烈すぎる演出の相性の良さは半端じゃない。ミュージカルがそこそこ好きな人が観たら、「これはあの作品へのオマージュだ!」というのが分かって結構楽しいかも。マニアックなオマージュだなと感じたのはバディ・イブセンを想起させる高身長のダンサー、トミー・チューンを起用したこと。完全版のミュージカル好きでも飽きるくらい長いレビューシーンは狂気しか感じない。何なら全編狂気に満ちてる。なぜなら古典的ミュージカル映画を現代で完全再現してしまったのだから。
※レンタル→VHS

3位『ウエスト・サイド物語』(1961)/ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンス


【コメント】
古典的ミュージカル映画への「決別」を告げた最初の作品だと思ってる。台詞を最小限まで削り、何もかも踊りと身体の動きで表現する序盤の斬新さ!!!この時の新体操みたいな振り付けは死ぬほどカッコいい。決闘前にみんなが歌う“Quintet”が1番好き。ミュージカル映画としても完璧だけど、ボーイミーツガール映画としても完璧だと思う。女の子に惚れたときに歌でその子の名前を連呼しちゃうのがアホらしいけど、そうしたくなる気持ちもめちゃくちゃ分かる。
※レンタル→DVD

2位『踊るニュウ・ヨーク』(1940)/ノーマン・タウログ


【コメント】
男2人が1人の女性を取り合うというよくある話なのにめちゃくちゃ面白い。アステアとエレノア・パウエル(このキャスティングが実現しただけでもこの作品は最高)が踊る全人類必見の“Begin The Beguine”も勿論最高なんだけど、この映画が凄いのはラストの締め方。3人並んで踊って笑ってハッピーエンドを迎える。こんな多幸感溢れるラストはなかなか無い。辛いことあったときはこの映画のラストシーン観て泣きまくってる。ちなみにアステアとパウエルが踊るシーン“Begin The Beguine”は当時の金額で12万ドルもかかったらしい(当時の一流スターのギャラが10万ドル)。
※レンタル→VHS

1位『バンド・ワゴン』(1953)/ヴィンセント・ミネリ


【コメント】
宝箱、マスターピース、宇宙、人生。もうどんな言葉を使ってもこの作品の良さは説明できない。初めて観たときに、心の底から生きてて良かったと思えたし、今でも観るたびに生の喜びを感じる。フレッド・アステアが廃れてしまった古風な風潮に縛られるダンサーを演じている(それだけで泣けてくる)。アステアが1人寂しく歌う“By Myself”、とにかく楽しい“That's Entertainment”、アステアとシド・チャリシーが踊る“Dancing In The Dark”、フレーム内を多幸感で支配する“I Love Louisa”、そして最高の大団円。言葉で説明しきれない感情をここまで豊かにダンスで表現できるのは天才の所業としか思えない。完璧。完璧すぎて怖い。死ぬ前にはこの映画を観ながら死にたいなぁ〜。

いかがでしたか?ここまで書いてきて、ミュージカル映画の魅力を文章で伝えることの難しさを痛感しました。それだけミュージカルというものは人間の感情に直接訴えかけてくるものだと思います。ひとつひとつの作品のコメントは本当に文章がめちゃくちゃな上に適当で、作品の魅力を正確に伝えられてないものが殆どなので、是非皆様の目で実際に作品をご覧になって下さい!!!
次回はランキング以外の記事を書いていけたらいいなと思っています。今年中にオールタイムベスト100を発表しようと思っているのですが、中々時間が掛かりそうです笑。

ロイ(@_rrroy_ridley)

2016年旧作ベスト50

2016年はまだまだ終わらねえ


去年は観た作品を適当に羅列してベスト10を書きましたが、今年はある方のアイディアを真似てベスト50を作ってみました。今年観た旧作は結構面白いのが多く、個人的な趣味で選んだ少し変わった珍品も混ざっていますが基本的には誰にでもオススメできる作品ばかりです!それでは早速50位からどんどん発表していきます!

50位 トマトケチャップ皇帝/寺山修司

49位 天国に行けないパパ/グレッグ・チャンピオン

48位 怪人マブゼ博士/フリッツ・ラング

47位 マルチプル・マニアックス/ジョン・ウォーターズ

43位 剣/三隅研次

42位 脱出/和田嘉訓

41位 陽だまりの彼女/三木孝浩

40位 億万長者/市川崑

39位 世界中がアイラブユー/ウディ・アレン

38位 聖獣学園/鈴木則文

37位 アントマン/ペイトン・リード

35位 誘惑/中平康

34位 パームビーチ・ストーリー/プレストン・スタージェス

33位 ジェイ&サイレントボブ 帝国への逆襲/ケヴィン・スミス

30位 モールラッツ/ケヴィン・スミス

28位 流血の抗争/長谷川安春

27位 ヒーローショー/井筒和幸

26位 お転婆三人姉妹 踊る太陽 /井上梅次

25位 たそがれ酒場 内田吐夢

22位 父と娘の歌/斎藤武市

20位 おんなの渦と淵と流れ/中平康

19位 パプリカ/今敏

16位ベビシッター・アドベンチャー/クリス・コロンバス

15位 21ジャンプストリート

13位 乱れる/成瀬巳喜男

10位ブロードウェイのバークレー夫妻/チャールズ・ウォルターズ

9位 結婚相談/中平康

8位 わが闘争/中村登

6位 13人連続暴行魔/若松孝二

5位 銀座カンカン娘/島耕二

3位 ションベンライダー/相米慎二

2位 星くず兄弟の伝説/手塚眞

まとめ

なんとか年内に完成させました。ポスター探し、結構辛かった笑。改めて振り返ってみると、自分の好きな映画のタイプがなんとなく今年になってから明確になってきたなと感じました。年明けてからちょこちょこコメント追加していきます。皆様良いお年を!!!

2016年新作映画ベスト10

今年もやるぜ!年間ベスト!

さあさあ2016年も残すところあと数時間!!希望しかない2017年に向けて今年も2016年の「映画締め」をしたいと思います。「映画締め」とかカッコつけた呼び方で呼んでいるけれど、ただの総括です、はい笑。去年は旧作と新作を同じ記事で書いていたのですが、今年は無駄にボリュームがあるので旧作と新作を分けて書きたいと思います。では早速やっていこう!まずは今年観た新作一覧を並べてみます(順不同)
※面倒なので今回は監督名表記を控えます。すみません!!!

1.『エルヴィス/我が心の歌』
2.『キャロル』
3.『ザ・ウォーク
4.『君がくれたグッドライフ』
5.『すれ違いのダイアリーズ』
6.『グランドフィナーレ』
7.『LOVE 3D』
8.『エージェント・ウルトラ
9.『アイアムアヒーロー
10.『ちはやふる 上の句』
11.『ちはやふる 下の句』
12.『ソング・オブ・ラホール』
13.『イレブン・ミニッツ』
14.『変態だ』
15.『少女椿
16.『Xミッション』
17.『ロブスター』
18.『バットマンvsスーパーマン
19.『セーラー服と機関銃〜卒業〜』
20.『リップヴァンウィンクルの花嫁』
21.『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
22.『ズートピア
23.『デッドプール
24.『クリーピー 偽りの隣人』
25.『インデペンデンス・デイ:リサージェンス
26.『ファインディング・ドリー
27.『太陽』
28.『シング・ストリート』
29.『シン・ゴジラ
30.『X-MEN アポカリプス』
31.『FAKE』
32.『怒り』
33.『君の名は』
34.『聲の形』
35.『The Beatles Eight Days A Week』
36.『スーサイド・スクワッド
37.『アングリーバード』
38.『SCOOP!』
39.『ヒメアノ〜ル
40.『何者』
41.『ソーセージ・パーティー』
42,『俺たち文化系プロレス DDT
43.『星くず兄弟の新たな伝説』
44.『Death Note Light Up The New World』
45.『溺れるナイフ
46.『イエスタデイ』
47.『ローグ・ワン』
48.『ぼくは明日、昨日のきみとデートする

以上48作品!!!去年の1.5倍以上新作観てるのには素直に驚いた。こうして見てみると、学生なのに映画に大分お金使ってるな〜と笑。中には「これも今年に観たのかよ!」ってのもあってあっという間だった2016年が少し長く感じた瞬間もありました。
いよいよ次はベスト10を発表します。まずは10位から!!

第10位 SCOOP!


【選考理由】冒頭の長回しから度肝を抜かれてそのまま映画に引き込まれまくった。福山と二階堂ふみが様々なアイディアを駆使してスクープを撮ろうとする様子をスタイリッシュな映像と編集で見せる前半がとにかく最高だから10位にした。日々お世話になってるグラドルとかAV女優も出てるしね!!本作でのリリー・フランキーの演技はかなり評価されているけれど、正直あまり好きじゃない笑。二階堂ふみは吐くほど可愛いかった。福山雅治は思っていた以上に良かったんだけど、吹石一恵と結婚したくせにさらっと沖田杏梨の乳揉んでんじゃねえよ!!!

第9位 ちはやふる 上の句


【選考理由】詳しいことは2016年上半期ベスト10のときに書いたから、ここでは省略。本編の内容を忘れさせるくらいの可愛さと破壊力を持った下の句の予告の松岡茉優の可愛さはやばい。茉優ちゃんしゅきしゅき〜😍😍😍😘😘😘けっこん〜💒💒💒💒💒💒

第8位 すれ違いのダイアリーズ


【選考理由】これは隠れた傑作でしょ。会いたいのになかなか会えない系ラブストーリー。校舎に残された日記を読んで、それを書いた人のことを好きになっちゃうってめちゃくちゃロマンチックじゃないか!!!先生1人が大勢の子供を抱きしめてる画はある意味反則だとこの映画を観て思った。ラスト、2人の視線が重なり合う様子は涙と笑顔無しでは観られない!!

第7位 FAKE


【選考理由】これも2016年上半期ベスト10で詳しいことは書いたから細かいことは省略。「信じるか信じないかはあなた次第です!」って感じ。

第6位 インデペンデンス・デイ リサージェンス


【選考理由】この映画を鑑賞中、何度も5歳児に戻った気がした。カッコいいメカと戦闘機、ぶっ壊れる街、更にはでっかい怪獣(雌)までもう男の子が大好きなものは全部リサージェンスに詰まっていると言っても過言ではない。IMAXで観れば良かったと激しく後悔してる…。1の熱狂的なファンにはウケが悪いのもなんとなく分かるけど、俺は胸を張って「リサージェンスを心の底から愛してる」と死ぬまで言い続けるぜ。
追伸)廉価版Blu-ray早く出して!!!

第5位 ぼくは明日、昨日のきみとデートする


【選考理由】泣いた、とにかく泣いた。一緒にいたいのに訳あって限られた期間しか一緒にいれないカップルの話は絶対泣く。列車の複線と駅が小松菜奈福士蒼汰の「すれ違う」人生を暗示していて、上手い演出だなあと思った。切ない運命を肯定してくれるラストシーンは文句無しに最高。三木孝浩の撮るファンタジー恋愛映画にハズレなし!!!本年度恋人と観に行きたい映画ナンバーワン!

第4位 アイアムアヒーロー


【選考理由】2016年上半期ベスト10で詳しいことは書いたからこれも細かいことは省略。ゾンビを撃ち殺したときに飛び散る血飛沫は快感そのもの。冴えない男の逆転劇でもこれはかなりアツい。とある男が死に際に放つセリフ「なあ、セックスしようよ」は名言すぎる。

第3位 ヒメアノ〜ル


【選考理由】ラブコメとサイコスリラーが90分強でどちらも楽しめるなんて素晴らし過ぎじゃないか!!森田剛もジャニーズとは思えないくらいの狂気を放っていてとても良かったが、佐津川愛美演じるヤリマン女子が無駄にリアリティ高めで最高。ラストは監督のとてつもない優しさを感じて超絶大号泣。永遠に語り継がれてほしい名作。

第2位 ザ・ウォーク


【選考理由】2位にしちゃったけれど、これはもう自分の人生そのものでもあり、肉体そのものでもあり、身体中を循環しまくってる血液そのものでもある超大切な映画。これから路頭に迷った時はこの映画を観て元気を貰います。ゼメキス大先生本当にありがとうございます。

第1位 星くず兄弟の新たな伝説


【選考理由】80年代に製作された『星くず兄弟の伝説』は若者が秘めているエネルギーに満ちていて、とにかく勢い重視の最高の映画だった。その続編である本作はとんでもないほど内容てんこ盛りの最強の映画だった。前作のような若さから生まれるエネルギーはあまり感じなかったけれど、前作よりもアナーキーで破天荒な作風になっている。でも下らない下ネタとかも多いし、合わない人は本当に合わないと思うし、谷村奈南はやっぱりおっぱいしかない。ただ、観終わったときは本当に感動した。「映画って自由でとってもとっても素敵なものなんだよ」と教えてくれるあのラストは本当に本当に反則。手塚眞の映画だから出来た最高のラストシーンを絶対に絶対に見逃すな!!!

特別枠 ローグ・ワン


もう言うことないっしょ。ラスト、あの人の台詞を聞いた瞬間、隣に座ってたおっさんと同じタイミングで爆泣きした。毎年スター・ウォーズが観れる今の世の中にマジ感謝しなきゃなあ笑。

【まとめ】

今年は本当に沢山の映画を観たし、色々な経験も出来たし後悔の少ない年で本当に良かった。来年は今年よりも忙しくなりそうだけれど、もっともっと沢山の映画に出会いたいです。最後にここまで読んでくれたお礼で最高に可愛い松岡茉優ちゃんの画像をお届けします。皆さん良いお年を!!!

『星くず兄弟の伝説』上映会@テアトル新宿

2016年9月7日19時30分

カルト的人気を誇るあの作品が遂にフィルム上映された。

その名は、、、

『星くず兄弟の伝説』

手塚治虫の息子である手塚眞監督が近田春夫さんの同名アルバムを元に作り上げた和製ミュージカル映画である。まずは知らない人のためにも簡単に粗筋を書く。
別々のバンドを組んでいてライバル関係にあったシンゴとカン。ある日謎のスカウトマンの誘いにより2人はアトミック・プロのオーディションを受けることになる。そしてシンゴとカンは2人で「スターダストブラザーズ」というユニットを組み、スターになりつつあったが、、、という話。
席の予約が開始されるとすぐにテアトル新宿へと足を運んだ。そのお陰もあってか、良席を取ることができた。首を長くして待っていたらあっという間に上映当日になった。


写真1 テアトル新宿前に設置されていた看板

19時半から本編が上映(35mmフィルム)され、映画はあっという間に終わり上映終了後拍手が起こった。拍手が続いてる中、トークショーが始まった。シンゴ役の久保田慎吾さん、カン役の高木完さん、監督の手塚眞さん、製作総指揮の近田春夫さん、そして手塚監督と長い付き合いのあるイラストレーターの三留まゆみさんの5人によるものだ。トークショーの内容は一部を抜粋して箇条書きで記していく。

  • 近田春夫さんは「これはいい映画、情熱のある映画」とめちゃくちゃ褒め称えた。
  • 黒澤明監督に虹カオルの父親役をオファーしていた。三船敏郎も考えたがあまりにもギャラが高すぎたので辞めた。
  • 東宝のプロデューサーに本作の企画を説明したところ「費用は30億円かかるよう」と言われたらしい。
  • 『ガソリンの雨』を歌っているときに高木完さんは38度くらいの熱があった。
  • 新作は来年上映され、『星くず兄弟の伝説』のBlu-ray、サントラ共に発売予定あり。

他にも濃い話が沢山聞けたのでもっともっと『星くず兄弟の伝説』が好きになった。
そして、トークショー終盤のサプライズがとにかく凄かった。その場でスターダストブラザーズが再結成され、生歌を披露したのだ!!!!曲はもちろん『星くず兄弟の伝説』。年齢を感じさせない2人の歌声とパフォーマンスがとにかく素晴らしくて脳裏に焼きついた。

写真2 『星くず兄弟の伝説』を歌う2人

トークショー終了後はサイン会が実施された。列は結構長く、中にはDVDや非売品のパンフレットを持ったファンの方もいらっしゃった。このサインは一生の宝物になりました、ほんとにありがとうございます!!!

写真3 (左上から)久保田慎吾さんのサイン、高木完さんのサイン、三留まゆみさんのサイン、そして手塚監督のサイン。

感想

「最高!!!愛してる!!!」の一言に尽きる。「このシーンは〜で〜だから最高」みたいなのを延々と書いていきたいけれど、それをやり出すと途轍もなく長くなりそうなのでここでは割愛する笑。
上映会に来ていた客層はリアルタイム世代の人が多く、最近本作と出会った自分としては本当に羨ましいと思った。三留まゆみさんも「映画館でフィルムで観るのは本当に久しぶり」と言っていたので、リアルタイム世代の方々は若い頃にタイムスリップしたような感覚になっていたのではないかと感じた。上映中の観客の一体感は本当に気持ちが良かったし、終了後一斉に拍手をしたのもそれの表れだと思う。
本作を観て改めて思ったのは自分がここまで『星くず兄弟の伝説』を好きになれたのは若さから生まれるエネルギーから映画が生まれているからだと思った。これは『ロッキー・ホラー・ショー』や『ファントム・オブ・パラダイス』にはなくて『星くず兄弟の伝説』にはある要素だと思う。若さのエネルギーを駆使して「やれるだけやってやるぜ!!!オラオラ!!!!」みたいな勢いで映画が進んでいくのがとにかく心地良いし、それがインディーズ映画の最大の長所だと感じた。リアルタイム世代の方々は本当に羨ましいと思うけれど、若いときにこの作品に出会えて本当に良かったと心の底から思う。俺たちは〜スターダストブラザーズ〜!!!

2016年上半期映画ベスト10

お久しぶりです。

このブログもせっかく開設したのに全く更新していない寂しいブログになってしまいました…。
※この間誕生日を迎えた際に更新しようと思ったのですが、内容があまりに酷かったので全文削除しました笑。
今回は新作の上半期ベスト10を紹介していこうと思います。新作をそこまで観ていない自分ですが、ここは周りの流れに乗っかろうと思います笑。

第10位 君がくれたグッドライフ


2014年のドイツ映画。ALSと診断された主人公がある目的を果たすために仲間とともにベルギーまで自転車で行く話。ラジオ局の映画鑑賞券の応募でたまたま当選したから観に行った映画。中盤までの馬鹿騒ぎの連続(内容はネタバレになるのであまり言えないけれど、結構イライラとさせられた)は文化の違いもあってか「何やってるの感」が凄くてこのまま適当に終わるのかなと思っていた。でもこの映画が本当に凄いのは終盤だった。
以下少しネタバレあり
主人公がベルギーに来た目的は安楽死をするためだった。彼の父親はALSで亡くなっており、父親のように苦しみたくなかったのだ。死ぬ前日、主人公とその友人達は海を眺めてジャンクフードを食べた。そしてもちろん夜は恋人とセックス。ただ、この時の恋人の気持ちを思うと本当に切なくなった。優しく抱き合っていたのが凄く印象的。死の当日、主人公は手に注射器を刺され安楽死するのだが、薬が主人公にすべて注入されるまでの間、本当に鳥肌が立った。あと少しで死んでしまうという辛さや切なさ、寂しさがこちらが苦しくなるほど伝わってきた。安楽死を遂げた主人公は幸せそうな顔をしてこの世を去った。本当に安楽死という「最期」が正しかったのか友人達は一生悩んでいくだろうし、安楽死を選ぶこと、生きるということ、死ぬということを映画を観終わって久々に考えさせられた。隠れた名作。

第9位 LOVE 3D


ギャスパー・ノエの新作。ただ単に気持ちいいからセックスし続ける映画だと思っていたのに、実は別れた恋人が忘れられずに孤独で、愛に飢えた男の物語だった。実際に胸が熱くなるような恋をしたことある人や今実際に恋人と付き合っている人がこれを観たら何を思うんだろう。付き合っていく年数が長ければ長いほど、相手のことを深く知れる代わりに理想の恋愛からは近づいていく。あんまり関係ないけれど、最近吉本隆明の『超恋愛論』という本を読んだ。明治時代の小説家とかの実生活や彼らの作品を挙げながら、「結婚生活」の中に「恋愛要素」を持ち込んではいけないみたいなことが書いてある本で、中々面白かった。本作の主人公にこの本を読ませてあげたい気がしなくもない…笑。

第8位 セーラー服と機関銃〜卒業〜


「こ〜のまま〜何時間でも〜抱いていたいけど〜」薬師丸ひろ子が主演し相米慎二が監督した作品を前田弘二がリメイクした作品。正直、本作のすべてを好きになることはできなかった。見せ場を殺す勢いの照明や相米オマージュの長回し(なのにブレまくって見づらい)はあまりいただけない…。ただ本作を橋本環奈のアイドル映画として観てみたらとても良かったと思った。透き通るように白い制服を着て、時には女子高生らしい面を見せ、時には強面おじさん達に一切ビビらず対抗するという組長らしい面を見せた橋本環奈には30億点くらいあげたい。狭いアジトでの銃撃戦は凄く楽しかったし、長谷川博己の『東京流れ者』を彷彿とさせる白いスーツはスーパーウルトラ良かった。あんまり興収が良くなかったらしいのが謎過ぎる。ディズニーのウサギさん映画よりはこっちの方がずっと面白かったけどね(ウサギさん映画にあんまりノレなかったことへの僻み)!!!

第7位 クリーピー 偽りの隣人


現在も公開中の黒沢清の新作。普通に面白かった。恥ずかしながら黒沢清を観たのはこれが初めて。印象的だったのは映画に登場する樹木や雑草が全く生き生きとしていなかったこと。家の周りに生えている雑草や植物が物凄く不気味で生気のない感じだった。それと香川照之演じる奇妙な隣人の演技があまり評判良くないのが不思議。序盤にあった話を噛み合わせようとしない不気味な描写に無駄にリアリティを感じたし、顔芸も中々キマっていて良いと思ったのに!自分も長年奇妙な隣人に悩まされている身なので、隣人が実はサイコパス一家だったら…と考えると背筋が凍りそう笑。これから観る人は竹内結子のブラトップに注目ね!!!

第6位 シビルウォー キャプテン・アメリカ


MCUの映画、最近周りが飽きるぐらいの勢いで公開されているけど本当大丈夫?」と完全に舐めてかかったら痛い目にあった。普通に面白い。設定厨や熱狂的なファンの人たちにとってみれば「ここは絶対許せない」とか「ここはこうした方がいい」とかいろいろ不満がたくさん出そうな作品だとは思った。スター・ウォーズファンとしてはアントマンとスパイディの下りに滅茶苦茶笑った。ルッソ兄弟の撮るアクションってすんげえ観てて飽きないんだよなあ。でもやっぱりウィンターソルジャーを超える面白さがなかったのは残念だったかも笑。今年は数多くのヒーロー映画が公開されたけれど、1番面白かったのはシビルウォーだった。『デッドプール』はつまらなくはないんだけど、思っていたよりは…笑。

第5位 ちはやふる 上の句


本編最後の下の句の予告の松岡茉優ちゃんがアルティメッドウルトラ可愛い。この1行で感想を終わらせたいくらいラストの予告に持っていかれた。あの可愛い子は誰?あの可愛い子は誰?誰??誰なの???上の句の上映後、光の速さで名前を調べた。彼女の名は松岡茉優茉優、茉優、今まで聞いた最も美しい響きだ!!!!!!(ウエストサイド物語風)
茶番は置いておいて、上の句の話をしよう。本作がこれほど好きになれたのは机くんの存在と体育会系部活に所属していた思い出が蘇ってきたから。自分だけセンスがなくて、自分だけ周りよりも上手くなれなくて、自分だけ成長を感じられず周りの足を引っ張っている。こんな状況になったときの辛さや苦しみは実際に経験したことがない人にしか分からないと思うけれど、映画では誰もがこの気持ちを感じることが作りになっていた、つまり机くんに感情移入しやすい作りになっていたと思う。机くんの場合、周りの3人は経験者だし、もう1人は同じタイミングでかるたを始めたのに自分よりも上手い女の子。また周りの4人は試合後に勝って喜び、互いを褒め合っているのに自分だけは勝てずどこか疎外感を感じている。こんな状況だったらそりゃ辞めたくなるでしょ!チームがひとつになるのは誰もが分かっている展開だけれど、その過程が激アツだった。思い出しただけで泣けてくる。下の句、下の句は…。松岡茉優ちゃんが可愛い映画だっけ、な…笑。

第4位 リップヴァンウィンクルの恋人


岩井俊二の新作。3時間もあるとかロード・オブ・ザ・リングかよ!と思いつつ、劇場に足を運んだ。滅茶苦茶良かったじゃないか!!
↓以下ネタバレあり
Twitterにも似たようなこと書いたけれど、リップヴァンウィンクルの花嫁』と『リリィシュシュのすべて』には通じる所があったと思う。というのは主人公を導く人物がいて、映画が終わる頃にはその人はいなくなってしまうということ。リリィシュシュだったら津田詩織だし、本作ではCocco演じる里中真白。綾野剛が演じていた安室も皆川七海(黒木華)を導いてる存在なのには間違いないが、彼女の根本を変えたかと言われたらそんなことはないと思う。寧ろ彼は皆川を里中に合わせる手助けをして、里中の死後、皆川と共に生き方の根本を変えた人物だと思った。「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」当たり前のことを改めて気づかせれくれた傑作だった。映画におけるウエディングドレスって何であんなに美しいんだろうね…。それとこの映画を観てから綾野剛が好きになった笑。

第3位 FAKE


森達也の新作。ゴーストライター騒動で世を賑わせた佐村河内守氏とその妻のドキュメンタリー映画。ドキュメンタリーはジャーナリズムとは違い、真実を暴くことを目的とせずに嘘か真実かをあやふやにしてそこに面白さを見出すと佐藤真氏は言っていたが、まさにその通りだと思った。嘘か真実かは観客の判断に委ねられており、何かを暴くといったことはしていない。佐村河内氏は妻も父親もいて飯も食うし(豆乳大好き)、タバコも吸うし「全聾の作曲家」も自分たちと同じような生活をする人なんだと再認識させられた。実はこの映画に関して映画をまだ観ていない両親と喧嘩になった。佐村河内氏を少し擁護するようなことを言ったのが原因となったのだ。本作を観ていない人と本作や佐村河内氏について喧嘩するのはバカバカしい話ではあるけれど、映画(虚構)と現実の区別をきちんとしなければならないとは思った。この映画に映し出されたものはすべて真実だとは思えない。しかし、ここまで嘘か真実かがあやふやになったら、事件の本当の解決は不可能に近いかもしれない。まさに信じるか信じないかはあなた次第です」な作品。

第2位 アイアムアヒーロー


ゾンビ映画を普段好んで観ない(むしろ苦手意識強め)の自分が滅茶苦茶楽しめた作品。最高じゃん。同じ花沢健吾原作実写化である『ボーイズ・オン・ザ・ラン』も超絶大傑作だったけれど、本作は日本映画の色んな可能性に満ちていた作品だと感じた。上から目線で「やればできるじゃん!!!」とかは全く言う気がないけれど、あのグロ描写は妥協せずにやれるだけやってるし、観客をビビらせよう、怖がらせようとさせる演出には満点をあげたい!でもどちらかと言われれば自分はゾンビの造形やグロ描写よりもストーリーに惹かれた。付き合っていた彼女がゾンビになって、知り合った女子高生は途中から何も話せなくなり、人間たちの避難場所に来れたはいいものの仲間に裏切られ自分の強みでもある猟銃を奪われてしまうとこれでもかと思うほど主人公に襲いかかる不幸の連続。そんな中でも主人公は守るべき人を守るために命を懸けて必死に行動する。そして猟銃を取り戻した瞬間、主人公はヒーローになる。完璧。

第1位 ザ・ウォーク


正直、ぶっち切りの1位です。マジで。正直1〜10位まで全部『ザ・ウォーク』にしようかなって思うくらい。どこが好きとかここが良いとかはなるべく控えて、なんでこの作品を観ることになったかを主に書きたいと思う。
去年の12月後半、『フォースの覚醒』を観に行く度に予告編が流れて、ただ綱渡りをする映画のどこが面白いんだよ!どうせ映像が凄いことだけをウリにしてるんだろ!とか失礼極まりないことを思いながら予告を観ていた(ほんとごめんなさい、ゼメキスさん笑)。そんな中、Twitterでは「ザ・ウォークは人生」と本作を讃える某氏のツイートが何度も目に入った。東京国際映画祭でも上映され何かと話題にもなってるし知り合いが呟いていた感想がとても面白かったので『エージェント・ウルトラ』のオマケ感覚で観に行った。鑑賞後ボロボロに泣き崩れることも知らずに…。
本作と出会えたことは今年最大の奇跡だし、夢をまっすぐに追いかけないと人生後悔することを教えてくれたし、オマケに大大大大好きな映画監督であるフェデリコ・フェリーニへの愛も感じさせる出来になっていたから控えめに言ってザ・ウォーク」は人生だった。

終わりに

疲れた!書くのに疲れた!駄文すぎて読み返したくねえ!!そんなことより空から茉優ちゃん降ってこないかな〜。

ロイ(@_rrroy_ridley)

【お知らせ】シネマヴェーラにてミュージカル映画上映!

あけましておめでとうございます(今更)

更新が二ヶ月近くなくてすみません…。記事は一応書いていたのですが、色々忙しくて…。
今年最初の記事はお知らせというか、こういうのもあるよというのを紹介したいと思います。

直接自分が関わってるわけではないですが、渋谷にある名画座シネマヴェーラにて3月5日からミュージカル映画の特集が始まります。ミュージカル映画だけでなく、ジャズ映画も公開されるそうなので中々密度の濃いラインナップとなっております。
※上映作品はこちらのリンクから

『四十二番街』『フットライト・パレード』『ゴールド・ディガーズ』はバスビー・バークレイが振付、演出をした傑作たちです。特に『四十二番街』はバックステージ型ミュージカルを確立させた作品なので必見!因みにバークレイが監督した『聖林ホテル』は未ソフト化作品なので気になる人は是非!
『トップ・ハット』『艦隊を追って』『踊らん哉』『気儘時代』はフレッド・アステアジンジャー・ロジャースがコンビを組んでいたRKO時代の作品です。『セカンド・コーラス』もアステア主演ですがジンジャーは出てきません…。『スイング・ホテル』はアステアとビング・クロスビーが共演した作品。名曲「ホワイト・クリスマス」が登場します。
『踊るニュウヨーク』は自分も大好きな作品。タップの女王ことエレノア・パウエルフレッド・アステアがタッグを組んだ大傑作。コメディとしてもミュージカルとしても観れる上に、ラストのパフォーマンスは圧巻です。
教授と美女』『ヒットパレード』『ニューオリンズ』『歩道の囁き』はジャズ映画です。未見の作品が多いのでこれを機に観に行こうかな!
イースター・パレード』『踊る大紐育』『雨に唄えば』はカラーのミュージカル映画。どれも色鮮やかで、ただ観てるだけでも楽しめます。

ダラダラと軽い紹介を書いてきましたが、結局ミュージカル映画初心者はどれを観に行けば良いんだよ!!!と思った人も多いはず。本当は「全部観て!」と言いたい所ですが、厳選するとすると

  1. 『四十二番街』か『ゴールド・ディガーズ』
  2. 『トップ・ハット』
  3. 『踊らん哉』
  4. 『踊るニュウ・ヨーク』
  5. イースター・パレード』
  6. 雨に唄えば

です(多い!!!!)

『四十二番街』『ゴールド・ディガーズ』はどちらもバークレイが演出した作品で知名度的に『四十二番街』、『ゴールド・ディガーズ』を入れました。『ゴールド・ディガーズ』のラストのパフォーマンスは初見の人ほど圧巻どころか度肝を抜かれます。
『トップ・ハット』はアステアとロジャースがコンビを組んだ作品の中でも一番有名なので入れました。『踊らん哉』は完全に自分の好みで入れましたが、ローラースケートタップや最後の仮面パフォーマンスは大画面で観る価値ありです。
『踊るニュウ・ヨーク』はDVDが出ているものの高値で中々手が出せない上に、レンタルがVHSでしか出てない所が多いので入れました。めちゃくちゃカッコいいタップが見たい人にオススメ。
イースター・パレード』は話自体はそこまで面白くないですがカラーのアステアを観たい人にオススメ。『オズの魔法使い』で主演を務めたジュディ・ガーランドも出てます。
雨に唄えば』は誰もが知ってるミュージカル映画と言っても過言ではないです。色んな人が影響を受け、皆に愛されてる作品なので是非!

大きなスクリーンでミュージカル映画の傑作たちが観れる機会はそうそう無いので、是非足を運んでみて下さい!!!!!

→写真は『踊るニュウ・ヨーク』でのアステアとエレノア・パウエル

ロイ(@_rrroy_ridley)